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サイト売却の秘密保持は、NDAの条項と開示の順序を署名前に確かめる【2026年10月時点】

2026-10-13

この記事の要点

サイト売却の秘密保持について、2026年10月時点の出典で整理しました。法的な判断は個別の事情で変わります。契約書の作成や確認は弁護士に支援を受けることが望ましい、と中小M&Aガイドラインも書いています(p.125)。この記事は法的な助言ではありません。

詳細資料はNDAの締結後に出すのが指針の想定で、ラッコM&Aでは守秘義務が規約に含まれるため、事業者は別途のNDAを原則不要としている

秘密保持契約(NDA)とは、売却の検討で相手に見せる情報の使い道と開示先を限り、守ることを約束する契約のことです。中小企業庁の「中小M&Aガイドライン(第3版)」(令和6年(2024年)8月)は、秘密保持契約を「秘密保持を確約する趣旨で締結する契約」と説明しています(p.20)。

同じ頁は、譲り受け側がノンネーム・シートを見て関心を持ち、より詳細な情報を得るために譲り渡し側と締結するケースがある、と書いています。もう一つのケースは、仲介者やFAとの契約に秘密保持条項として含める形です。企業概要書は、秘密保持契約を締結した後に譲り受け側へ提示するものとされています(p.20)。実名を含む詳細資料を開示するネームクリアも、候補先との秘密保持契約を締結した上で実施する、と書かれています(p.93)。

このガイドラインは中小企業のM&Aが対象で、サイト売買に直接当てはまるとは書かれていません。サイトの売却で「企業概要書」に当たる資料が何かも、出典には書かれていません。ここでは「詳細なデータを出す前に、守秘の書面があるか」という考え方の根拠として使います。

ラッコM&Aの場合は事情が違います。ラッコM&Aは、利用規約に同意すれば守秘義務が含まれるため、原則としてNDAの締結は必要ない、と案内しています(2026年10月時点)。特殊な状況でNDAが必要なときは売主と買主が作成・締結し、その書面の作成・締結はラッコM&Aのシステムとサポートの対象外です。これはラッコM&A上の取引についての案内です。他の経路には広げず、次の表で、受け取った書面の名前から自分の行を引いてください。

守秘を決める書面は経路で違うので、受け取った書面の名前から自分の行を引いてから署名する

2026年10月時点の出典で、経路ごとに「守秘を決める書面」を並べました。仕組みの違いや手数料はサイトM&A 手数料に、個人間売買の進め方はサイト 売却 個人間にあります。ここでは守秘の書面だけを見ます。

経路 守秘を決める書面 別途NDAが要るか 署名前に確かめること
規約型プラットフォーム(ラッコM&A) 利用規約 第14条(2026年7月29日改定版) 事業者は原則不要としている。特殊な状況では売主・買主間で作成(書面の作成はサポート対象外) 機密情報は、相手方の書面による同意なく第三者に開示・漏洩せず、規約の履行以外に使わない定め(サービス利用中・利用終了後)。違反者の違約金は当社と相手方へ30万円ずつで、合計は60万円(編集部算出: 30万円+30万円)
仲介者・FAを通す 仲介契約・FA契約の秘密保持条項 条項に含める形がある。別途要るかは書面で確認 顧客側にも秘密保持義務を課す条項があるのが通常(p.39)。弁護士・税理士などへの情報共有が許容されているか(p.40)
個人間 当事者間で結ぶNDA 当事者で結ぶ ガイドラインは、当事者間で結ぶ場合は参考資料7(2)の「秘密保持契約書サンプル」を参照するよう案内(p.43)。後述の経産省の例とも並べて読む
SiteBuyの買取査定(利用規約 第6条) SiteBuy利用規約 第6条(秘密保持) 別途NDAを結ぶかは、依頼時にSiteBuyの担当へ確認 開示した非公開情報(収益・アクセス状況・運営ノウハウ等)を査定と買取の検討の目的以外に使わない。事前の同意なく第三者に開示しない(例外あり)

違約金の60万円は、ラッコM&A1社の規約値と、その条件(違反者が当社と相手方にそれぞれ30万円ずつ)です。サイト売却のNDA全般の相場ではありません。

SiteBuy(当サイト運営)の規約第6条は、次の範囲を定めています。

流れ全体や経路ごとの工程は、サイト 売却 手続きで扱っています。

見せる情報は段階ごとに決め、Search Console の閲覧権限のような核心は契約後に回す選択肢がある

次の表は、中小M&Aガイドラインの流れ(ノンネーム・シート、秘密保持契約、企業概要書・ネームクリア)をもとに、編集部が見せる情報の段階に組み直したものです(2026年10月時点)。段階の名前は指針のもので、規約で守秘を決める経路には無い段階もあります。自分の経路では「詳細データを出す前に、守秘の書面があるか」で読んでください。

段階 見せてよい情報 見せる前の条件
ノンネーム・シート 関心を持ってもらうための概要。実名や詳細は出さない(編集部の整理) NDAは前提でない。この段階を見て、関心を持った側が詳細を求める(p.20)
NDAの締結 − 守秘の書面(NDA・規約・仲介契約の条項)が決まっていること
企業概要書・実名開示(ネームクリア) 実名を含む詳細資料 候補先ごとに売り手の同意を得て、候補先との秘密保持契約を締結した上で実施(p.93)
詳細なデータの開示 収益やアクセスの実績など 核になる情報は、開示する相手をできるだけ限定する(ラッコM&Aの解説記事の見解)
契約後の権限の移行 Search Console の閲覧権限など極めて重要な情報 契約後のサイト移行段階で開示する方向でもよい、とラッコM&Aの解説記事が述べている(事業者の見解)

基本合意書を結ぶ場合、基本的に法的拘束力はありませんが、独占的交渉権や秘密保持義務等には法的拘束力を認めるのが通常とされています(p.21)。基本合意書にも秘密保持義務が入りうる点は、署名前に確かめます。

  1. 受け取った守秘の書面の名前を確かめる(NDA・規約・仲介契約の秘密保持条項)
  2. 見せようとしている資料を一覧にし、どの段階の資料かを分ける
  3. ノンネームの段階では、実名や詳細を出さない
  4. 詳細資料は、守秘の書面が決まってから、相手を限って出す
  5. Search Console の権限のような核心は、契約後の移行まで回せないかを検討する

Search Console の権限は、渡す相手に何が見えるかが権限名で変わります。自分の画面の「設定」の「ユーザーと権限」で確かめてください。

権限 できること
所有者 プロパティを完全にコントロールできる(他のユーザーの追加と削除、設定の変更、すべてのデータの表示など)
フルユーザー すべてのデータに対する表示権限を持ち、一部のアクションを実行できる
制限付きユーザー ほとんどのデータに対する表示権限を持つ

迷ったら「渡す前に、その資料は誰のどの判断に要るか」を確かめます。これは編集部の確認項目で、出典はありません。閲覧のために権限を渡すなら、所有者ではなく制限付きにするなど、見える範囲を選べます。移管の手続きはサイトM&A 必要書類にあります。

会員などの個人データを同意なしで渡す場合としてガイドラインが示すのは、事業の承継の交渉で相手の調査を受けるときで、契約が要る

個人情報保護委員会のガイドライン(通則編・令和8年6月一部改正)3-6-3(2)は、事業の承継の契約を締結するより前の交渉段階で、相手会社から自社の調査を受け、自社の個人データを相手会社へ提供する場合も、第三者に該当しない場合に当たるとしています。本人の同意やオプトアウト手続なしで提供できる場合の一つです。

ただし、そのときは、相手会社に安全管理措置を遵守させるために必要な契約を結ぶ必要があります。契約で定める内容として、データの利用目的と取扱方法、漏えい等が発生した場合の措置、交渉が不調となった場合の措置等が挙げられています。

ここで分からないことが2点あります。出典には、次のことが書かれていません。

そのため、会員・購読者・問い合わせ者などの個人データを渡す予定があるなら、自分の売却が当てはまるか分からないうちは、渡す前に専門家に確認してください。受け取ったNDAに、利用目的・漏えい時・不調時の定めがあるかも確認項目です。最終契約での個人データの扱いは、サイト 売却 契約で扱っています。

経産省の秘密保持契約書の例は、秘密情報の定義・除外・目的外使用の禁止・開示先の承諾・返還と消去を定めており、受け取ったNDAと並べて読める

経済産業省「秘密情報の保護ハンドブック」の参考資料2(2024年2月改訂版)の第4に、秘密保持契約書の例があります。この例は、他社との業務提携・業務委託等の取引を本格化させる前の事前検討で、企業同士が秘密情報を取り交わす際に用いるものです。M&Aやサイト売買専用ではありません。 ここでは、売却NDAの標準形ではなく、公的な契約例として、受け取ったNDAと並べて読む物差しに使います。

条項 例の定め 売り手が確かめること
秘密情報の定義 開示された技術上・営業上の情報に加え「本契約の存在及び内容」を含む。注記では、検討の事実それ自体を秘密情報に含める定め方もあるとする 「売却を検討している事実」が秘密情報に入るか。入らないと、検討中であることを周囲に話されても条項上は守られない可能性がある
除外 5類型(既に保有・秘密保持義務なく第三者から入手・独自に取得または創出・既に公知・自己の責めによらず公知)。受領側が書面で根拠を立証できる場合に限る 除外の類型が広すぎないか。立証の定めがあるか
目的外使用の禁止 秘密情報等を本取引の目的以外には使用しない 「本取引」が売却の検討に限られているか
第三者への開示 書面による相手方の事前承諾を要し、開示先には本契約と同等の義務を負わせる 弁護士・税理士・仲介者への共有が許されているか(例に明示は無い。p.40は許容の確認が望ましいとする)
法令による開示 法令に基づき開示が義務づけられた場合は、事前に相手方に通知し、可能な限り相手方の指示に従う 通知の定めがあるか
返還・消去 不要になったとき、または相手方の請求があるときに、直ちに返還する。自己の記録媒体にデータがあれば消去し、書面で報告する 売買が成立しなかった場合に、渡した資料が戻る・消えるか

売却の検討の事実を守りたい場合は、定義の行を最初に確かめます。例の定め方は一つの書き方であって、受け取ったNDAに同じ定めがあるとは限りません。

有効期限の年数・違約金・裁判所は例では空欄か定めが無いので、署名前に自分の条件で確かめる項目になる

経産省の例には、署名前に自分で埋める項目がいくつかあります。

例の注記には、検討の事実について定める場合の有効期限は「6か月〜2年程度となることが一般的」とあります。これは業務提携・業務委託の検討の事実についての注記で、サイト売却のNDAの標準期間を示すものではありません。 年数を標準として扱わず、自分のサイトの事情(売却の公表の予定、データの古くなる速さ)に合わせて確かめてください。

違約金を定める場合、民法420条3項は違約金を賠償額の予定と推定しています。当事者は損害賠償の額を予定できる(同条1項)ので、額の書き方によって、後で請求できる範囲が変わります。金額の妥当性は個別の判断になります。

署名前の確認事項です(いずれも編集部の確認項目)。

  • 弁護士・税理士などへの相談が、書面で許されているか(p.40。例には明示が無い)
  • 法令による開示を求められたときの通知の定めがあるか
  • クロージング後に公表する合意があれば、それまでは秘密保持を貫く必要がある(p.49)。実績としての公表の合意がないか
  • 仲介を通す場合、依頼者側にも秘密保持義務が及ぶ(p.39)
  • 有効期限・自動更新・違約金・裁判所の空欄を、自分で埋めたか、相手の案を見たか

NDAを含む契約書の作成とリーガルチェックは、弁護士が支援することが望ましいとされています(p.125)。

NDAを破られたときは契約違反の損害賠償と不競法の差止・損害賠償を使える場合があるが、NDAがあれば必ず救済されるわけではない

破られたときの手当は、契約違反としての請求と、不正競争防止法による請求の2つの筋があります。条文は2026年10月13日に e-Gov 法令検索で確認しました。

条文 定め 当てはまる場合の見方
民法415条1項 債務の本旨に従った履行をしないとき、債権者は損害賠償を請求できる(但書あり) NDAの義務に反した場合に、契約上の債務不履行として請求しうる。当てはまるかは個別
民法420条1項・3項 損害賠償の額を予定できる。違約金は賠償額の予定と推定される NDAに違約金が定められている場合
不競法2条6項 営業秘密とは、秘密として管理されている事業活動に有用な技術上・営業上の情報で、公然と知られていないもの(編集部の整理: 秘密管理性・有用性・非公知性の3点) サイトの収益・流入データが当たるかは個別判断
不競法2条1項7号 営業秘密を示された者が、不正の利益を得る目的または損害を加える目的で使用・開示する行為は不正競争の一類型 目的の要件があり、NDA違反の全てが当たるわけではない
不競法3条1項 営業上の利益を侵害され、またはそのおそれがある者は、侵害の停止または予防を請求できる(差止請求) 不正競争に当たる場合
不競法4条 故意または過失により不正競争を行い、営業上の利益を侵害した者は、損害を賠償する責任を負う(但書は省略) 不正競争に当たる場合

条文があっても、結果は個別の事情で決まります。NDAがあれば必ず救済される、とは言えません。相手の行為が契約違反や不正競争に当たるか、損害をどう立証するかは、専門家に確認してください。

最終契約で決める譲渡対象・代金・競業避止などは、サイト 売却 契約にまとめています。

条項を確かめても判断が分かれる点は、専門家に相談してください。秘密保持の範囲は、SiteBuy利用規約第6条に書かれた内容の範囲です。依頼時に担当へ確認してください。

よくある質問

Q1. ラッコM&Aで取引するとき、別にNDAを結ぶ必要はありますか

ラッコM&Aの場合、事業者は「利用規約に同意すれば守秘義務が含まれるため、原則としてNDAの締結は必要ない」と案内しています(2026年10月時点)。特殊な状況でNDAが必要なときは売主と買主の間で作成・締結し、その書面の作成・締結はラッコM&Aのシステムとサポートの対象外です。他の経路や他社のサービスには当てはまりません。受け取った書面で確かめてください。

Q2. 売却を検討していること自体は秘密情報になりますか

経産省の契約例では、秘密情報に「本契約の存在及び内容」を含めており、注記で「検討の事実それ自体が秘密情報に含まれると定めることもあります」としています。受け取ったNDAに同じ定めがあるとは限らないので、秘密情報の定義の条項を署名前に確かめてください。

Q3. 弁護士や税理士に資料を見せてもNDA違反になりませんか

書面の定め次第です。中小M&Aガイドラインは、公認会計士・税理士・弁護士などへの情報共有が許容されているか(秘密保持義務が一部解除されているか)を、確認しておくことが望ましいとしています(p.40)。経産省の例は、第三者への開示に書面による相手方の事前承諾を求めていて、専門家への開示の扱いは明示していません。署名前に、専門家への共有を認める定めを入れられないか相談してください。

Q4. 「秘密保持契約書」と題名があれば印紙が必要ですか

題名だけでは決まりません。国税庁は、課税文書に当たるかは、名称や文言で形式的に行わず、文書の内容や当事者の了解を加味して総合的に判断する、としています(令和8年(2026年)4月1日現在法令等)。個別の文書は、税務署や専門家に確認してください。

Q5. 買取の査定が成立しなかった場合、渡した情報は守られますか

SiteBuyの買取査定の場合、利用規約第6条は、買取が成立しなかった場合でも、SiteBuyは秘密保持義務を負い続けると定めています。期間の定めは規約に書かれていません。別途NDAを結ぶかどうかは、依頼時に担当へ確認してください。

Q6. 売却が成立した後、実績として公表されることはありますか

公表する旨の合意をしている場合は、クロージング後に公表するまでの間、秘密保持を貫く必要があります(中小M&Aガイドライン p.49)。SiteBuyの買取査定の場合、利用規約第6条は、買取実績を掲載するときも、利用者の事前の同意なく対象サイトを特定できる情報は載せないと定めています。公表の合意があるかは、署名前に契約書で確かめてください。